プレゼンテーション

概要
ここでは,研究成果を発表する,プレゼンテーションの方法について解説します.
目次

学会発表って・・・何?

大学や企業などで研究を行って一定の成果が出た場合,多くはその成果を学会(講演会)で発表することになります.
しかし,学会発表の漠然としたイメージはあるけれど実際にどんな感じかわからないというのが本音ではないでしょうか!?
本章では学会発表を行うまでの流れを解説します.

学会とは

ここで言う「学会」とは組織としての学会ではなく,その組織が開催している会議のことを指します.
組織としての学会とは機械学会[1] ,情報処理学会[2] ,ロボット学会 [3] などある研究分野に関心がある人々が集まっている会員組織のことです[4]
学会は上記のような会議を開催したり,学術論文誌を発行したり,優れた研究又は研究者を表彰したりする活動を行っています.
海外も同様でIEEEなどより大きな学会が国際会議開催や論文誌発行を行っています.
必ずしも学会に参加する必要はありませんが,学会で発表するためには学会の会員であることが必要な場合があります.

下図に学会発表までの流れを示します.

Conference entry flow
Conference entry flow

それぞれの手続きは以下のようになっています.

講演申込み

発表者,所属,共著者,タイトル,概要などを事前に登録して講演の申込みを行います.
この時に必要な情報は学会によって違いますが,講演申込み時点でどのような発表をするのかが決まっている必要があります.

原稿投稿

ポスター発表でも口頭発表でも発表内容をまとめた原稿(206p程度)を提出することがほとんどです.
原稿の書き方は「論文の書き方」を参照してください.

査読,最終原稿投稿

学会によっては原稿の査読があります.
査読とは原稿の内容を審査することで,研究内容に関係する研究に従事している研究者数名が原稿を採点し,採点結果によって発表の可否が決まります.
査読の要点は研究の学術性・新規性・有用性や論文構成など学会によって多少違いますが,研究が価値あるものかどうかを判断している点は同じです.
査読結果は著者にフィードバックされるので,原稿が採択された場合は査読者のコメントを参考にしながら原稿を修正し最終版を投稿します.

参加申込み

発表することが決まったら,学会の参加申込みを行います.
講演申込みと参加申込みは別なので,講演申込みを行っていても参加申込みを行う必要がある場合がほとんどです.
参加申込みは参加費の支払いと共に交通手段の手配や食事の手配が出来ることもあります.

発表

発表当日はポスターやパワーポイントなどの発表資料を使ってプレゼンを行います.
資料の作り方や発表方法については次章以降を参照してください.

賞の申込み

多くの学会では若手研究者(学生を含む)に対して研究奨励賞などが用意されています.
自動的(特に手続きが必要ない)に表彰される場合と表彰を受けるために別途申込みが必要な場合があります.
せっかく発表するのですから,成功したら表彰の1つや2つされたいものです.
若手に対する賞は学生でも十分取れる可能性があるので積極的に申請することを勧めます.
学会によっては発表用のスライドを提出するなど上記以外の手続きが必要な場合がありますので,必ず学会のHPや論文募集要綱を参照するようにしてください.

なぜ発表するのか

それではなぜ研究成果を学会などで発表する必要があるのでしょうか!?
学会発表の目的は主に以下の3つが挙げられます.

  • 研究成果の発表
  • 最新研究(ライバル研究)の調査
  • 他の研究者とのコミュニケーション

研究成果の発表

学会発表の一番の目的は何と言っても自分の研究成果を他の研究者に聴いてもらうことです.
自分のやっている研究を回りの人々に知ってもらい自分自身(やその研究)をアピールしたり,また自分の研究にコメントをもらったりします.
特に自分の研究にコメントをもらうことは非常に重要で,新しい研究の展開があったり 悩んでいた問題が解決したり研究の方向性を修正する必要が出てきたりします.
全てのコメントを受け入れる必要はありませんが(中には無責任な発言もあるかもしれません),研究の大きな刺激になることは間違いありません.
コメントを十分にもらうためには自分の発表を聴いてもらう努力が必要になります.
この後で述べる発表のテクニックはもちろん,学会に積極的に参加する(他の研究者と話をする)姿勢が大事だと思います.
研究成果が持ち運べるものであるなら,学会に持って行って実際に見てもらうのも手だと思います.

最新研究(ライバル研究)の調査

自分が新しい研究成果を発表するのと同様に,他の参加者も自分の新しい研究成果を発表しに学会に来ています.
自分の研究分野に関係ある学会で発表するのですが,多くの場合さらに関連するキーワードで発表がまとめられています.
それらは学会の中で"セッション"と呼ばれ,自動車で例えるなら普通自動車という学会の中のスポーツカーセッションという感じです.(もっと細かく,FRセッション,FFセッション,1600ccセッションなどと分かれている場合もあります.)
自分の発表もそうですが,他の研究者の発表を聴く時にも多少ルールがあります.
私語は極力控える,発表中は席を立たない,無断で写真・動画を撮影しないなどです.
また,発表の最後には質疑応答の時間があるので疑問に思ったことは積極的に質問してみましょう.
最初のうちは気の利いた質問ができないかもしれませんが,自分が理解出来ていないことは意外と周りの人も理解出来てなかったりします.(説明が不十分だったり,その部分にまだ問題があったりします.)
ただし,質疑応答の時間も限られているので発表に関係ない質問や個人的な質問(研究で使われていたテクニックを自分も使いたいから質疑応答時間に聴くなど)はしないようにしましょう.

他の研究者とのコミュニケーション

学会に参加して一番楽しいのが他の研究者とのコミュニケーションではないでしょうか!?
同じ分野で研究している人同士情報交換が出来ますし,同年代の研究者と話すことで研究に対するモチベーションが上がったりします.
初めての人とはなかなか話しにくいですが,発表の質問をしてみたり先輩や指導教官の先生に紹介してもらったりして研究者仲間の輪を広げると今後の研究生活がより楽しくなると思います.
また,博士課程の学生など将来アカデミックな職業に就くことを目指しているのなら学会で自分をしっかりアピールすることで将来の道が開ける・・・かもしれません.
企業に就職する場合でも"産学連携"という可能性もあるので,面白い研究をしている人とは仲良くなっておくと将来何かの助けになるかもしれません.

どんな会議があるのか

学会は発表形態で分けるとポスター発表と口頭発表に分かれます.
ここではさらに国際会議(もちろんポスター発表と口頭発表があります.)を加えてそれぞれについて説明します.
発表形態によって長所・短所があるので,研究成果に応じて発表する学会を選んで下さい.

ポスター発表

研究成果を数枚のポスター(A0とか)にまとめて,壁やパーティションに貼ってその前で発表する形式です.
他にもたくさんのポスターが貼られていて,自分の持ち時間(コアタイム,2時間程度)はポスターの前で研究の説明を行います.
聴衆がやって来たら説明を始めて,その後質疑応答を行います.

長所:

  • 聴衆と深く議論が出来る.
  • 聴衆が説明についていきやすい.
  • 知人を作りやすい.
  • それほど緊張しない.

短所:

  • 発表に盛り込める情報が口頭発表より少ない.
  • 他のポスターを見に行きにくい.
  • 説明に加わるタイミングが難しい.
  • 同じ説明を何度も行うので大変.

口頭発表

研究成果をパワーポイントなどのスライドにまとめて,液晶プロジェクタなどでスクリーンに映しながら発表する形式です.
発表時間や質疑応答時間が決まっていて,1つのセッションの中で数人が発表します.

長所:

  • 発表に盛り込める情報がポスター発表より多い.
  • 他の発表を聴きやすい.
  • 時間が決まっているので聴衆は発表を選びやすい.

短所:

  • 聴衆と深く議論出来ない.
  • 聴衆が発表についていけない可能性がある.
  • 緊張する.

国際会議

ポスター発表にしても口頭発表にしても日本国内の研究者を対象とした学会(国内会議)と世界中の研究者を対象とした学会(国際会議)の2種類があります.
国内の学会はほとんど発表者は日本人で,海外の研究者が発表することはほとんどありません.
発表するのは日本の大学に留学している学生ぐらいでしょう.
国際会議になると多くの場合,査読が行われます.
発表者も参加者も多いので誰でも発表していると収拾がつかなくなるためです.
よって,国際会議に発表している研究は内容も構成もしっかりしたものであると言えます.

長所:

  • 世界中の研究者にアピール出来る.
  • 会議の規模が大きく,多くの情報を集めることが出来る.

短所:

  • 英語で発表し質疑応答に答える必要がある.
  • 非常に緊張する.

口頭発表

この章では口頭発表においてわかりやすい(聴衆に理解してもらえる)発表をするために必要な準備やテクニックを紹介します.
いくつかの内容は口頭発表だけでなくポスター発表でも使えるものですので同じ考え方(自分の主張を如何に納得してもらうか)で発表してください.

わかりやすい発表のために

まず,わかりやすい発表をするために心がけるべきことを以下に示します.
以降,それぞれの詳細を説明します.

  • 必要かつ不可欠な情報だけを示す.
  • 聴衆の理解の流れに沿った順番で情報を与える.
  • どういう情報を伝えるのかを予め知らせる.
  • 聴衆の記憶を当てにしない.
  • 説明しなくても伝わる資料を作る.
  • 見やすくする.

必要かつ不可欠な情報だけを示す

まず初めに発表の中で自分が主張したいことを決める必要があります.
研究を進める中でいくつかの発見があるとそれらを全て主張したくなってしまいますが,主張があまり多いと発表の寄り道が多くなってしまい本当に主張したいことが伝わらなくなってしまいます.
次にその主張を聴衆に納得してもらうための情報を選びます.
情報の取捨選択は難しいのですが,これを間違うと発表を理解してもらえなかったり主張が納得してもらえなかったり,最悪の場合は間違った解釈をされてしまうこともあります.
聴衆がどんな情報を得れば自分の主張が理解され納得してもらえるのかを聴衆の立場で考えることが重要です.
聴衆が疑問に思うであろうこと,聴衆が知りたいであろうことを予想して発表に使う情報を選択してください.

聴衆の理解の流れに沿った順番で情報を与える

示すべき情報が決まったら次はそれを提示する順番を決めます.
ここで基本となるのは聴衆が理解しやすい順番で情報を提示することです.
聴衆が理解しやすい順番というのは論理的なつながりのある順番であるとも言えます.
学会発表は映画や小説ではないので時系列に沿ったり,ムリに起承転結を付けて発表を盛り上げる必要はありません.(発表の演出として本編を妨げない程度ならいいと思います.)
また,主張したいことを繰り返して聴衆に覚えてもらうことは重要ですが,実験の説明や言葉の定義など聴衆の理解が得られそうな情報を何度も繰り返すのは余計な回り道になってしまいます.

どういう情報を伝えるのかを予め知らせる

発表では目次や見出しは提示する情報の概要を伝えるのに非常に有効です.
スライドであればスライドの見出しにスライド内に何が書いてあるかを簡潔に示すことで 聴衆の理解を促すことができます.
また,発表が長い場合は目次を間に挟むことで聴衆に全体の話のどの部分を説明しているのかを意識してもらうことができます.
同様に研究・発表・技術など説明したいものの全体像を図や表で示すことも有効です.
全体がわかっている方が細かい部分の理解もスムーズになります.

聴衆の記憶を当てにしない

ほとんどの聴衆は自分の発表(研究)を初めて聴くことになります.
同じような研究をしていても発表に出てくるキーワードは違ったりしますし,言葉の定義はシチュエーションによって様々な捉えられ方をします.
発表では同じ意味のことは極力同じ言葉を使用し,言葉を変える時は違う意味や物を指すようにします.
論文とは違い,発表中は時間が限られているので出てくる言葉をじっくり覚えることが出来ません.
スライドやポスターに書く文章は聴衆が読みやすい書き方で書くようにします.
また,事前に情報を与えていても肝心の説明の場面では聴衆はその情報を忘れている可能性が非常に高くなります.(どれだけ集中して聴いていても忘れられてしまう時があります.)
重要なキーワードや結果は繰り返して提示して聴衆に主張する必要があります.

説明しなくても伝わる資料を作る

発表のスライドやポスターは聴衆が見ただけで内容が理解出来る必要があります.
必要な情報は全て記載し,読み取って欲しい結論も示します.
情報を見る順番を番号や矢印で示したり,重要な部分の色を変えたりすることで説明しなくても聴衆が自分の意図する順序で情報を読み取ってくれる工夫をします.
また,発表においては言葉や記号・色の使い方を統一する必要があります.
1つの発表内で表現が変わると聴衆に無駄に考えさせることになりますし,間違った解釈を与えてしまいます.
特に色使いは発表の第一印象にも係わる重要な要因であると言えます.

見やすくする

発表資料には多くの情報を載せたいのでつい情報を詰め込んでしまいますが,細かい文字でみっちり文章がかかれていたり大量の図表が提示されていると必要な情報が伝わらなくなってしまいます.
文字や図表の大きさは聴衆が容易に読み取れる大きさに設定します.
また,発表資料の色は聴衆が見やすいようにコントラストを明確にします.

スライドの作り方

実際にスライドを作る際にはまずスライドの枚数を考えます.
15分の発表であれば全体で20枚程度のスライド数が適切だと思います.
1枚のスライドの説明にかける時間は40秒060秒程度がテンポよく発表を進めることが出来る時間だと言われています.

スライド作りのコツ

これまでの説明を踏まえて実際にスライドを作る時に注意する点をまとめます.

  • 1枚のスライドで1つのことだけを述べる.
  • 各スライドには見出し(スライドタイトル)を付ける.
  • スライドで伝えたいことを明記する.
  • スライドの作り方に一貫性を持たせる.
  • スライドとスライドのつながりを考える.

1枚のスライドで1つのことだけを述べる

1つのスライドで伝えることは1つだけにします.
1つのスライドに主張したいことが複数あると聴衆は理解したり覚えることが多くて発表についていけなくなってしまいます.(結果,発表そのものを理解する気力を無くしてしまいます.)
ただ,研究目的を示すスライドを作る場合に研究目的だけ書かれていても理解は進みません.
その目的を持った原因や目的までのアプローチなど伝えたいことの補足情報は載せるべきです.
最初のうちは何が必要で何が不必要なのかわかりにくいと思いますが,何度か練習したり他人の発表を聴くことで必要な情報がわかってくると思います.

各スライドには見出し(スライドタイトル)を付ける

各スライドには必ずタイトルを付けてください.
聴衆はまずそこからこのスライドで発表者が何を言いたいのかを読み取ろうとします.
スライドタイトルはスライドの内容を要約している(スライドの中身がわかる)タイトルを付けてください.
実験1,結果1,実験2,結果2,・・・では何の実験をしてその結果からどのような結論が導き出されたのか説明を聴くまでわからないことになります.
せっかくスライドタイトルを付けてもそこに何も情報が無いと付けていないのと同じことになってしまいます.

スライドで伝えたいことを明記する

スライドで伝えたいことはスライドに明記します.
例えば,実験結果のグラフを見せる場合でもそのグラフからどんな結論が導かれるのかをスライドに明記します.
スライドで伝えたいことは重要な情報なので文字の大きさを一回り大きくしたり色を付けたり1番上や1番下に書くなど伝えたいことが目立つ工夫をします.
また,伝えたいこととスライドタイトルはちゃんと対応している必要があります.
情報が整理されていることで聴衆は何に関して何を伝えたいのかを理解することができます.

スライドとスライドのつながりを考える

発表のストーリーは原稿を執筆する時点である程度出来上がっていると思いますが,発表資料では全体のストーリーに注意しながら個々のスライドがつながるように気をつけます.
全体としてはストーリーがつながっていてもスライドが変わる時に発表の流れが途切れてしまうと聴衆の理解の妨げになってしまいます.
発表中に1つの結論を出して次のテーマに移るような時は今が全体の話のどの辺りにいるのかを説明するなどして聴衆に場面が変わることを知らせます.

スライドの作り方に一貫性を持たせる

スライドや図表のデザインは発表資料内で統一するようにします.
フォント・色使い・文字の大きさ・配置などを全て同じになるように資料を作ります.
強調したいことや重要な部分を伝えるのにアピールの仕方(デザイン)が違うと聴衆に十分伝わりません.
デザインが統一されたスライドは見ていて気持ちがいいので,聴衆の心理的抵抗も下げることが出来,発表を聴かせる気持ちにさせます.

図表の描き方

前節で述べたように資料は"説明しなくても伝わる資料"にしなくてはいけません.
そのためにどのように図表を作成するべきかを以下に示します.

  • 単純な図表にする.
  • 視覚的に意味を捉えやすくする.
  • 軸・記号の説明をする.

単純な図表にする

1つ1つの図表はその図表が伝えたい情報が伝わるために必要な情報だけを載せます.
1つの図表で主張すること(グラフの結論)は1つに絞ります.
同じ図表であれもこれも説明すると,聴衆はその図表から何を読み取るべきなのかわからなくなってしまいます.

視覚的に意味を捉えやすくする

提示する図表は聴衆の理解を視覚的に助けるものでなくてはなりません.
例えば,2種類の実験結果を数値で比べる時に表の中で数字を使って比較するのと棒グラフなどで図を使って比較するのでは明らかに後者の方が簡単に大小を比較することが出来ます.
また,実験の手順などを説明するフローチャートでは文章と共に図を使うことでどのような実験を行ったのかを視覚的に伝えることが出来ます.

軸・記号の説明をする

図表に用いる軸や記号は必ず説明を付けるようにします.
自分が一般的だと思っている書き方でも聴衆がすぐに理解してくれるとは限りません.
特にグラフの軸は何を表わしているのかを明記する必要があります.
また,このような説明は説明するもののすぐ近くにないといけません.
聴衆が図表を見ている時に記号が目に入ったらすぐにそれが何を意味するのかを理解する必要があるからです.

スライド例

Fig.にスライドの基本構成例を示します.
研究分野,学会,個人的趣向などによって違うと思いますが参考にしてください.

発表のやり方

実際に発表する時の話し方は人それぞれ慣れた話し方があると思います.
ここでは発表時に注意すべき点を以下に挙げます.
また,実際に発表する前に先輩や指導教官に発表練習を見てもらった方がいいでしょう.
自分では気付かなかった点を指摘してもらえたり,人を前にして話すことで発表にどの程度時間がかかるかを知ることも出来ます.
発表は練習すればするほど上達するものなので時間が許す限り練習してください.

  • 発表時間を守る.
  • 聴衆を見て話をする.
  • 原稿を読み上げない.
  • 会場の後ろまで聞こえるように話をする.
  • 適度に間を取りながら話をする.
  • 過度に抑揚をつけた話し方をしない.
  • スライドにないことを話さない.
  • ポインタ・指示棒はぴたっと指す.

ポスター発表

この章ではポスター発表においてわかりやすい(聴衆に理解してもらえる)発表をするために必要な準備やテクニックを紹介します.
ポスター発表は口頭発表と違って発表資料に載せることが出来る情報量が少なくなっています.
また,口頭発表のように初めから最後まで順序立てて説明出来ない時もあります.
口頭発表の時よりもさらに説明が無くても理解出来る資料作りが必要になってきます.

ポスターの作り方

ポスターを作る時に1番に気を付けることは読む気になるポスターを作ることです.
ポスター発表は口頭発表と違い,決められた時間の間ポスターを貼り出して聴衆が「説明を聴きたい」と思って初めて説明を聴いてもらうことが出来ます.
逆に言うとポスターの印象で「面白くなさそうだ・・・」と思われると説明さえ聴いてもらえずに終わってしまいます.
聴衆も限られた時間でそのセッションの発表をいくつか見たいと思っています.
面白くなさそうな発表に貴重な時間を割いてくれる聴衆はいないのです.

ポスターのコツ

読む気になるポスター,説明を聴こうと思うポスターを作るコツを説明します.

  • すっきりしたポスターにする.
  • 拾い読みをしやすくする.
  • 序論と考察は最小限にする.
  • 情報間の対応を付ける.
  • 読む順番がわかるようにする.
  • 情報の領域を明確にする.

すっきりしたポスターにする

ポスターを作る際に1番気を付けたいのは見た目がすっきりしていることです.
文字や数式だけのポスターであったり,モノクロ印刷であったり,文字や図表が小さくびっしりと描かれているポスターはそれだけで聴衆の見る気・聴く気を無くさせてしまいます.
もちろん必要な情報は全て載せる必要がありますが,主張したいことを絞って余計なことを言わないようにしないといけません.
また,デザインも全体で統一して聴衆の目を引きながらも,読みやすいものにしなくてはいけません.
デザインに関してはポスター発表の方が自由度が多いので難しいかもしれませんが,独自の見せ方が出来るので頑張り甲斐があります.

拾い読みをしやすくする

前述のように聴衆は限られた時間で複数の発表を見ようと思っています.
説明を聴くほどではないけれど要点は把握したいと思っている人もいます.
そういった聴衆にもしっかり理解してもらえるように,情報が拾い読みしやすいポスターにします.
他のコツに加えて,読んで欲しい重要な情報は特に目立つように提示します.

序論と考察は最小限にする

ポスターに盛り込める情報には限界があるので,省略しやすい序論と考察は最小限にします.
序論は研究の意義を伝えるのに重要な役割を果たしますが,何のために何をやるのかを簡潔に述べます.
考察は説明や配布される発表要綱でも説明できるのでスペースに余裕がない場合は結論などにまとめてしまいます.

情報の領域を明確にする

ポスターも目的,実験,結果,結論などを述べますが,それぞれがポスターのどの部分に書かれているのかを視覚的に明示します.
聴衆がポスターの中で書かれている文章や図表がどの見出しの情報なのかを考えなくてもすむようにしなくてはいけません.

情報間の対応を付ける

実験のグラフと結果,式とその説明など対応する情報が一目でわかるようにします.
すぐ近くに書くことも重要ですが,番号を振ったり色を変えたりしてどの情報からどの結果が導かれるのかを明示します.

読む順番がわかるようにする

ポスターを見るときは基本的に発表タイトルから結論までを読むと思います.
しかし,実験が複数あったり,いくつかの結果をまとめて結論にする場合など情報がたくさんあると順番に迷うことがあります.
このような場合は各見出しに番号を振ったり,読む順番を矢印で図示したりすることで読む順番を示すことも有効です.

ポスター例

Fig.にポスターの基本構成例を示します.
研究分野,学会,個人的趣向などによって違うと思いますが参考にしてください.

発表のやり方

ポスター発表は説明の始まりや終わりが決まっていないので口頭発表よりは時間的に余裕があるのでじっくり説明ができる.
しかし,長々と説明すると聴衆も飽きてしまうし,新しい人に説明する時間も減ってしまう.
せっかくのポスター発表なので出来るだけ多くの人に興味を持ってもらい,多くの議論を交わしたい.
聴衆とのコミュニケーションが重要になるのでその点にも考慮しながら発表のコツを以下に挙げます.
また,ポスター発表も練習すればするほど上手になるので時間の許す限り練習を繰り返してください.

  • 5分くらいで全体を説明出来るようにする.
  • 勝手に説明を始めない.
  • 全員に向かって話をする.
  • 聴衆の反応を見ながら説明をする.
  • 特定の聴衆と長く議論しない.
  • 配布資料を用意する.

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Last-modified: 2018-08-30 (木) 07:17:07 (75d)