ロボットハンドの把持における音情報を用いた水量推定手法

これまでに容器を打撃することで中に入った液体の量を推定するという研究が行われています.しかし,特定の棒による打撃やグリッパによる決められたはじき動作を行った場合の推定しか考慮されておらず,ロボットハンドの把持に適用するには最初に容器を打撃する動作が余分に必要となります.

本研究では把持動作において発生する音から容器内の水量を推定することを目的とし,把持のパラメータが推定精度に与える影響を明らかにします.

図1: 本研究の概要

水量推定手法

本研究室ではコップの淵に打撃を加えた際に発生する音を周波数解析し,ピーク周波数からそのときの水量を推定する手法を提案しています.

本研究ではその手法を使用して,ロボットハンドの把持動作の違いによる音の変化が,推定精度にどのように影響を与えるのかを明らかにします.

ロボットハンドの把持動作に影響を与えるパラメータとして,指を動かす際の速度,容器を把持する指の力,容器に接触する指の位置が重要であると考え,各パラメータを変更しながら実験を行い推定精度に与える影響を考察しました.

水量推定実験

 実験方法

本研究の実験には,本研究室で開発されたロボットハンドであるNAIST-Hand 2を利用しています.容器に打撃を加えた際に発生する音の計測には,ロボットハンドの指先に装着したマイクロフォン(Knowles Electronics社製,SP0103NC3-3)を利用しました.

実験の際には図2の様に,まず人差し指以外を動作させ,それらの指がコップに接触して静止した後に人差し指を動作させるという方法で把持を行い,音情報を計測します.

その際,把持パラメータである指先の動作速度,指先力,接触位置を変化させ,それぞれが推定精度へ与える影響を調査しました.

step_grasp1.jpg
図2: 把持方法

 実験結果

指先の動作速度:

moving speed.jpg

指先力:

fingertip force.jpg

接触位置:

grasp position.jpg

最適な把持パラメータ:

grasp parameter.jpg

実験結果より把持パラメータ全てに推定誤差が小さくなる把持パラメータが存在し,適切な把持パラメータを選択して推定を行った場合,そうでない場合と比べて高い精度で推定出来ることがわかりました. これらの把持パラメータと推定精度の関係を用いることで,把持の目的から必要とする推定精度を決定し,適切な把持パラメータを求めることが可能となります.

メンバー

関連論文

  • 栗田 雄一, 祖父江 厚志, 池田 篤俊, 小笠原 司:
    グラスハーブの音響特性を利用したはじき動作による水量推定,
    第27回ロボット学会学術講演会, 1A3-04, 2009.
  • 栗田 雄一, 小野 泰寛, 池田 篤俊, 小笠原 司:
    手首での着脱機構を持つ人間サイズの多指ロボットハンドの開発,
    ロボティクスメカトロニクス講演会2009, 2A2-B11, 2009.

 

 

Last-modified: 2011-12-05 (月) 16:57:25 (2199d)